黒まる王子が解説

酢の歴史-酢の誕生と日本における歴史

昔から「酢は体に良い」といわれていますが、その中でも最近は特に黒酢の人気が高く健康を重んじる人たちから愛用愛飲されています。

黒酢を料理に取り入れたり、好きな飲み物で割って飲んだり、より手軽に摂取できるよう市販のドリンクやサプリメントが販売されるようになっています。

酢の中でも黒酢が特に愛される理由ってなんでしょう。
黒酢と酢とはどのような違いがあるのでしょうか。

まずは「酢」がいつから私たちの生活の中にはいってきたのかみていきましょう。

【目次】

酢は意外に身近な調味料!?

「酢」はいくら体に良いからと言っても、酸っぱいものは苦手というひともいるでしょう。
調味料としては塩や醤油、砂糖などよりも家庭での使用頻度は低いかもしれません。

でも酢は、苦手な人もそれ自体を使って料理することは少なくても、どの家庭にもある身近な調味料の材料として使われているのです。というのもマヨネーズ、ケチャップ、ウスターソース、ドレッシングを作るのに酢は入っているのです。

こう考えると酢って結構身近な調味料ですね。

お酢の歴史

そもそも酢という調味料はいつの時代にできたものなのでしょうか。

塩や砂糖と比べて歴史が浅いように思われますが、実は酢は最古の調味料といわれ、紀元前5000年頃にはメソポタミアの首都バビロニアに存在していたといわれています。

そのころのバビロニアではデーツ(ナツメヤシ)や干しぶどうを使ってお酒がつくられており、それを元に酢ができたのではないかと言われています。

というのも酢を意味する英語のvinegarの語源はフランス語のvinaigre=vin(ワイン)+aigre(酸っぱい)から、日本の「酢」という漢字も「酒」と同じ部首「酉」(酒だるなどを意味する象形文字)が使われていることなどからわかるように、酢はお酒がさらに発酵されてつくられたものであるからです。

ちなみに塩は紀元前1000年頃から岩塩の採掘が行われ、砂糖の栽培は紀元前400年頃と言われているので、酢の歴史の古さが伺えますね。

お酢が体に良いことは紀元前から分かっていたようで、調味料以外にも紀元前400年頃には医学の父と呼ばれるヒポクラテスが酢の殺菌作用を利用し、様々な病気の治療に使っていたとの記録が残っています。

日本における酢の歴史

そんな酢が中国から日本に入ってきたのが400~500年頃。
酒を造る技術とともに伝えられ、主に和泉の国で酢(いずみ酢)が造られたと言われています。

藤原京跡や平城京などの宮跡から出土した木管には「酢」の文字が書かれていたとのこと。
日本で最古の酢に関する記述は奈良時代の万葉集に載っている酢を詠んだ歌とされています。

「醤酢に蒜搗き合てて鯛願う吾にな見せそ水葱の羹」
(醤と酢と野蒜を混ぜたたれで鯛を食べたい。ということを詠んだ歌)

醤とは今の醤油の原型でそれに酢を合わせた「醤酢」は当時の貴重な調味料でした。

また養老律令には作酒司(さけのつかさ)という官職が酒や酢などを作っていたことが記されています。

このことから飛鳥時代や奈良時代にはすでに都に酢が流通していたことがわかります。
しかし当時は希少なものとして貴族などの一部の者たちしか接することができませんでした。

酢はその後、鎌倉時代や室町時代においてますます重要な調味料とされていました。
料理に合わせて酢味噌、山葵酢、辛子酢などの合わせ酢が使われました。

江戸時代になってからさらに酢の醸造技術が向上して広く庶民に伝わったと言われています。

また酒粕から酢をつくることに成功すると、江戸の食文化に現在の握りずしが登場します。